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コラム&本誌企画

2025年「WDC世界選手権」日本開催!

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2月です。いよいよ本格的な競技会シーズンの到来です! JBDF西部では2月5日に「スクリヴナー杯&レアード杯」が開催され(56頁に詳報)、地元西部の選手はもちろん、東部や北海道からもエントリーがあるなど、全国区レベルの大会となりました。さらにその1週間後、東京で「ムーアカップ」が開催(58頁参照)。この大会にも全国から選手がエントリーし、熱戦が繰り広げられました。

ご存じのように、これらの大会は英国ダンス史に燦然と名が刻まれているレン・スクリヴナー氏、ウォルター・レアード氏、そしてアレックス・ムーア氏の名を冠にした大会で、これらの競技会の開催意義は、普遍的なダンススタイルへの不断の姿勢であり、英国スタイルのボールルームダンスの奥義を追求し続けることなのです。決してブレることのない「本当のもの」へのアプローチを意味するのです。

過去を遡ってみても、これらの大会での勝者は日本の頂点、そして世界の舞台で戦っていくまでに成長し、実績を残しています。すなわち世界への「お墨付き」となる重要な大会なのです。今年のスクリヴナー杯は橋本剛・恩田恵子組、レアード杯は正谷恒揮・齋藤 愛組、ムーアカップでは佐藤純平・亀山聡美組、須藤達矢・庄司まゆ組が堂々の優勝を勝ち取りました。年頭の大会での勝運は「スーパージャパンカップ」での素晴らしいダンスへの序章。そして、その素晴らしいダンスを磨いて5月の英国での「全英選手権」、6月の「日本インター」へとさらに進化し続けていただきたいと思います!

彼らを筆頭にバトルはさらに激化していくこと必至です。このチャンピオンたちに追いつけ追い越せとばかりに、生き生きと踊る若手ダンサーたちの存在も非常に楽しみです。地域の枠を超えて全国レベルで競い合う環境に中で、成長し続けてほしいと思います。

国際大会も今年は大いに盛り上がることでしょう。まずは2月26日に世界のトップクラスがこぞって参加する「アジアオープン」が開催されます。1月の「UK選手権」に次ぐビッグイベントとして世界が注目しています。2020年の大会以来3年ぶりのアジアオープンは、世界のトップダンサーたちによる白熱のバトルが繰り広げられます。

ちょっと話は脱線しますが、日本での国際大会出場は世界のトップクラスにとって、とても魅力あるものです。これは昔からのことですが、大会運営やホスピタリティーの素晴らしさ、観客のマナーの良さ、大会前後の日本国内での活動にも特別感が満載のようで、審査員も選手も皆、日本に行けること、日本での競技会に出場でき
ることをとても楽しみにしています。コロナによる入国制限もかなり緩和されたことでますます華々しく開催されることになるでしょうし、国際交流の素晴らしいチャンスでもあります。このような流れは、コロナ禍で閉塞感に包まれていた雰囲気を解消し、積極的に大会を開催していくプラス材料であることは間違いないことでしょう。

さて、国内における世界大会といえば、アジアオープン以外には日本インターナショナル選手権やギャラクシーマスターズ、三笠宮杯などが挙げられますが、2025年に「特別な世界大会」が開催されることが決定したニュースをお伝えしたいと思います。

UK選手権の大会期間中に開催されたWDC競技委員会の席上で、2025年度の「WDC世界選手権」のプロBとプロLの両部門が、日本で開催されることが決定しました! 2年後の下半期に開催することになるようですが、準備期間を考えると2年後の開催はそんな先の話ではありません。主催はJBDF。協力体制を整えつつ、大会成功に向けて計画的に準備を進めていかなければなりません。

成功ということであれば、それは大会運営面だけではありません。念願の日本開催なのですから、当然我が国のトップダンサーたちの勇姿をセミファイナル、ファイナルのシーンで熱く応援したいと思うのは当然のこと。個人レベルでの努力だけでなく、組織を挙げて選手のレベルアップを強力に押し進めていく動きも必要です。技術団体や選手会、各地域連盟などがうまく連携していけば、大いに可能性が膨らむのではないでしょうか。

日本でボールルームとラテンの両部門が同時開催されるのは、1982年以来、実に43年ぶりのことです。日本のダンス界の勢いを復活させるためにも、この大会はとても意義深いものがあります。日本の力を結集して大成功に導いていこうではありませんか!

(月刊ダンスビュウ2023年4月号掲載)

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プロフィール

  • 田中 英和

    生年月日:8月9日
    出身:広島県広島市出身
    経歴:1997年2月にアデール・プレストン選手とカップルを組み、5月の全英選手権で日本選手初の第3位表彰台に輝く。「ヒデ&アデール」の愛称で国内外の大会で活躍し、翌98年の全英選手権5位入賞を最後に現役を引退。以降、審査員、コーチャーとして後進の育成にあたっている。また、本誌でも、7年にわたって連載レッスン「ナチュラル・ダンシング」シリーズを執筆し、大好評を博した。
    田中英和ダンスワールド

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