あっぱれ! シニア世代の大活躍
まず冒頭に、お詫びをしなければなりません。先月号に大阪で女性が刺された事件を引用し、被害女性が亡くなったとの記載をしてしまいましたが、実際には被害を受けられた女性は意識も戻られ、今現在回復傾向にいらっしゃるとのことです。私の全くの事実誤認のため、関係されたご本人様、親族の方、ご友人関係の皆様には深くお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。ご本人様の早期のご回復をお祈りいたします。
暦の上では「立秋」が過ぎ、朝晩が凌ぎやすい季節が待ち遠しいのですが、現実にはなかなか終わらないこの暑さに、夏バテを感じてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。9月に入ってもまだまだ残暑厳しい日々が続くかもしれません。でもそんなときにはやはりこのダンスが一番です!屋外で直射日光に当たるスポーツではありませんし、冷房の効いた環境の良い屋内で身体を動かし適度の汗をかくこともできるのですから、夏バテを解消し、健康増進のためにはうってつけのものと言えるでしょう。
加えてダンスは音楽あってのもので、ダンス音楽には標準テンポと標準となる演奏小節数が決まっています。その標準に沿った速さ、そして時間、自身のレベルに見合った強度で調節しながら踊れるのです。一人で練習するもよし、グループでの練習も楽しく、またカップルで練習会のような状況に身を置くなど、この時期だからこその取り組み方や内容があろうかと思います。健康によし、仲間づくりによし、そして個々のレベルアップは即競技成績にも繋がり、どんどんと前向きに取り組んでいけるものなのです。
一つ付け加えておきますが、適宜、スポーツドリンクなどの水分補給をお忘れなく。15分ごとにコップ半分くらい、こまめに摂るのが良いそうですよ。室内であっても熱中症対策には怠りのないようにお願いします。
さて、世界での競技会に目を向けてみますと、8月と言えばなんと言っても「ジャーマンオープン」でしょう。WDSFの世界大会としては最高峰の大会として位置付けられていると聞きます。コロナのパンデミックによって、この大会も今年3年ぶりの開催となったようです。私個人としてはYouTubeで配信された動画を見たり、Facebookなどへの投稿を見るくらいのものではありますが、世界のトップクラスとなれば、相当レベルの高いダンスのオンパレード。なかなか興味深いものを感じます。
今年は大西大晶・咲菜組、五月女光政・叡佳組をはじめ、シニアの選手も含めて10組近くが日本から参戦したとのことです。その中でシニアIVのセクションで今井正幸・由香組が優勝、岡田明義・祐子組が第5位に入賞とのニュースが! 世界に挑戦する姿勢がこうして成績として形に残ることは本当に素晴らしいことです。成績を残された両カップルに「おめでとうございます!」の言葉を贈りたいと思います。
ジャーマンオープンだけでなく過去には「全英選手権」のシニア部門でスタンダード、ラテン共に複数回優勝を果たした望月洋一・幸子組や、同じく全英50歳以上部門で準優勝の成績を残し、ファイナリストとして活躍中の松村健樹・栄子組をはじめ、世界レベルの大会で好成績を残したシニア選手たちが数多くいらっしゃいます。若く溌剌としたエネルギーを持って踊るジュニアやライジングスターのダンサーは、未来のダンス界を支える素晴らしい人材であり、その数はもっともっと増えていくことを期待しますが、同時に鉄人のごとく世界で活躍する中高年ダンサーも、日本のダンス界を支えている大いなる人材なのです。海外でこういった嬉しいニュースがどんどんと報じられていくことは、野球やサッカーの世界と同じように国内でのトレンドに大きく貢献するものだと思います。
8月末から9月4日まではカリフォルニア州オレンジカウンティで「エンバシーボールルーム選手権」が、10月11日から13日は英国ロンドンで「インターナショナル選手権」、14日は「ロンドンボール」、10月25日から27日はブラックプールで「The Open Worlds 2022」、11月5日には「シンガポールオープン」などなど世界各地で色々な大会が開催されます。プロ、アマ、ジュニアやシニアを問わず、世界に目を向けて、大いにチャレンジする日本人ダンサーが
もっともっと増え、『ダンス大国ニッポン』への大きな流れを生み出していってほしいものです!
(月刊ダンスビュウ2022年10月号掲載)