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ダンスビュウ2024年6月号 映像レッスン(特別付録DVD収録)のご紹介

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まもなく発売となるダンスビュウ2024年6月号(4月26日[金]発売)で、特別付録DVDに収録している映像レッスンは、世界ショーダンス選手権ファイナリストの清水基允・丸市美幸組が講師を務めます。清水基允・丸市美幸組の映像レッスンは、2019年8月号の「なめらかバランス~ルンバ編~」、2020年12月号の「ボディムーブメント~なめらかCha Cha Cha~」以来、3回目の出演となります。

コンセプトは「羅針盤」。ラテンダンスにおける男女のポジションとリードの方向を取り上げ、ベーシックとバリエーションを用いて、スムーズに踊るための方法を解説します。

 

6月号付録DVDに収録の映像レッスンの講師は清水基允・丸市美幸先生です。コンセプトは“羅針盤”。羅針盤という言葉は大きいですね。ダンスという大海を航海する時の指針なのか、あるいはダンサーが理想に向かっていくときのコンパスなのか? いろいろな想像を膨らませることはできますが、今回のレッスンでは、カップルで踊るときの身体の向き、進行方向を示す比喩として使われています。

さて皆さんは、ラテンダンスを踊るとき、お互いの身体の方向、ポジションを意識したことはありますか? スタンダードであれば、プロムナードポジョン、クローズドポジション、フォーラウェイポジション、あるいはセイムフットポジョンなど色々な位置関係があり、それを意識する、しないに関わらず、ポジションとステップ、リード&フォローは、密接な関係にあると思います。

一方、ラテンの場合は、どうでしょうか? パソドブレは別として、筆者はルンバやチャチャチャを踊るとき、お互いの位置関係や進行方向を特に意識したことがありませんでした。もちろん、オープンポジションやファンポジションなどは、馴染みのある言葉でしたが、プロムナードポジションやカウンタープロムナードポジションなどは、どのステップのどんな場面で生じるのか、自覚していませんでした。

ポジションの説明に関しては、レッスン映像をご覧いただければと思いますが、筆者が今回のレッスンを視聴して感じたのは、ポジションの変化が次のステップへの合図になる、ということです。ひとつ前のステップ➡今やっているステップ➡次に踊るステップという流れがあり、ポジションを変えることが、次の動作の入り口になるということでしょう。つまりポジションというのは、お互いの位置、次の進行方向への始動のシグナル、前後の動作の境目、といった要素を含んでいて、これをどう扱うか、ということはとても興味深い問題です。

さて、映像レッスンのステップ解説の冒頭に出てくるのが、「オープンヒップツイスト~ファン」。オープンポジションからプロムナードポジション~ファンへと、ポジションが変わっていくときに、男性が女性の進む方向(左方向)を意識するか、或いは意識せず、身体の面を正面に向けたまま足だけでステップを踏んでしまうかで、踊りやすさが変わってくる。清水先生はヒップツイストを終えたあと、ハーフターンをしていく女性に肩を向け“どうぞ、どうぞ”という感覚で送り出す、解説しています。

そうか、“どうぞ、どうぞ”か!
確かに相手を意識することが、スムーズなリードのコツだと言えると思います。

筆者が今回のステップ解説の中で特に面白いと思ったのは、クローズドヒップツイストから入る「リバーストップ」です。日本インター決勝の規定フィガーでよく採用されるステップです。しかし街場の会場のダンスタイムでやっている方は少ない、というよりも、踊っている方を見かけたことがありません。教科書に載っているのに、需要は少ない。なぜなのか。おそらく実際にやってみると踊りにくいからでしょう。ステップ自体の難しさというより、回転の入り口の部分で、女性の導き方がわからない、という方が多いのではないでしょうか(筆者もそうでした)。いきなり左へ回ろうとすると相手のバランスが崩れ、男性の右足が前に出ていかない。無理に進むと二人の歩調が揃わなくなってしまう。

回転系のステップでは、右回りのナチュラルトップはスムーズに回れても、リバーストップは、踊りにくくやがて踊らなくなってしまう。その原因は左回転の入り口の位置関係にあるのではないでしょうか?

さて、レッスン映像を見てみましょう。清水先生は、リバーストップはカウンタープロムナードポジション(CPP)になってから女性を後退へ導き、左へ進みましょう、と解説しています。筆者は通っている某教室の団体レッスンのプログラムの中で、たまたまリバーストップが出てきたので、やってみると、たしかにその通りでした。右足バックリプレイスから左足に体重を移し、次の回転を始めるときに、気持ち右サイドを広げる感覚でステップするとバランスが崩れない。左へ加重しすぎると、円の中心へ相手を巻き込んでしまう感じですが、左脚を軸にしつつ、右サイドをやや外へ張り出して(CPPの意識)で進むと、巻き込まずにスムーズに回れる、ということも実感しました。

同様の例として挙げられるのは、クロスベーッシクから女性がスパイラルするフィガーです。清水先生はクロスベーシックのあと、右側を意識してCPPの体勢からスパイラル(左回転)を促し、続けて女性の回転を拾うように進みましょう、と解説されています。筆者も後日フリーダンスで、このステップを使ってみましたが、その通りでした。女性が左回転をするとき、男性は左手をあげながら自分の右側の空間を広げると、相手はその空間を使ってスムーズに回れる。その空間の形がCPP。リバーストップと同様に、入り口のCPPがスムーズなスパイラルを促す鍵になるのではないか、と思いました。

映像レッスンで解説されているいくつかのフィガーと、それを試した筆者の体験を述べましたが、身体の中のコンパスの針をどちらに向けるか、という意識の有無で、我々のリードの品質が変わってくる、ということ。それがこの「羅針盤」のテーマでしょうか。

本誌付録DVDに収録の映像レッスンで、ラテン種目では個人の身体の使い方、二人のコネクションや音楽表現、あるいはフリーアームの使い方などについて、諸先生が膨大な経験から体得したノウハウ、アイディアを発表しています。しかし、二人の位置関係に関する知見が公開されている映像レッスンは少ないのが実情です。その点に関しては、今回の「羅針盤」は、新しい視点からのレッスンだと思います。練習やダンスタイムなどで「羅針盤」を試してみると、“そうだったのか”という発見があると思います。

■2024年6月号特別付録DVD内容のご紹介

(文・ダンスビュウDVD制作担当)

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