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ダンスビュウ2024年4月号 特別付録DVDのご紹介

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まもなく発売となるダンスビュウ2024年4月号(2月27日[火]発売)で、特別付録DVDに収録しているレッスンは、元統一全日本ボールルームファイナリストの森脇健司・的場未恭組が講師を務めます。同ペアの本誌DVD収録レッスンは2020年7月号の「シームレスワルツ」以来、5回目の出演となります。

テーマは「ベスト・アドバイス ダンス愛好家Q&A 〜スタンダード編〜」。ダンス愛好家から寄せられた質問に対し、森脇組が丁寧に分かりやすくアドバイス。回答を通じ、魅力的に踊るためのアイディアとボールルームダンスの基本を解説します。

 

今月のDVDは、森脇健司&的場未恭先生による「ベスト・アドバイス」です。タイトルの通り、ダンス愛好家の方々の質問に、お二人がアドバイスをしていただく形式の企画です。

初めに、レッスン内容とは別に、企画立案の準備の部分について筆者の考えを記載します。一般論になりますが、ダンスに限らず「Q&A」という企画の肝は、Question(質問=以下Q)の部分です。Qの内容によって、A(回答)の深さが左右される。回答者(講師)の知見を十分に引き出すためには、まずどのようなQを立てるか、ということが出発点となります。

では良いQの基準は何でしょう?おおざっぱに言うと、以下の3点だと思います。

問題が具体的であること、「自分はこうなりたい」という、質問者の意思が含まれていること、そして質問者以外の方、つまり属性や環境の異なる他者にも通じる問題を含んでいること。具体的な事柄の中に、普遍性が含まれ、さらにアドバイスを消化する意思が質問者にあることが、多くの方が関心をもつ良いQの条件ということになるでしょう(逆にいうと、良い問いを立てられる人は、解決を予見しながら、最初の1歩を歩み出している、とも言える)。

そのような観点から、企画者は集まった問いを洗って代表的なサンプルを抜き出し、回答者の先生方に選んでもらう、という作業を行なっています。これは、媒体やジャンルを問わず、企画者に共通する「Q&A」の下ごしらえの部分です。

さて、DVDの話題に入ります。筆者が個人的に一番面白い、と思ったのは「女性はどこで男性のリードを感知するか」(Q5)という、踏歴20年の女性からの投稿です。あぁ、なるほど。長くダンスをやっていても、やっぱりそうなんだ、と思いました。と、同時に、これは意外に男性の盲点になっているな、と感じました。

そもそも、社交ダンスというのは、次に何のステップを行うのか、どちらの方向に進むのか、それをどのタイミングでやるのか、ということを全て男性が決めています。きっかけ(最初の合図)は男性。それを受けて女性が動く、というのが社交ダンスの文法です(もちろん、競技やデモのようにカップルが事前にルーティンを決め、動作のタイミングと方向を共有し、シンクロしながら運動の精度を高めていく、という場合は別です)。つまりダンスは、男性の動き出しが端緒となってルーティンが始まる。だとすれば、女性は次に男性が何をするかを素早くキャッチしたい。一方男性は適切なタイミングで合図したい。それが、ダンス愛好家の大半の方に共通する心情でしょう。

少し迂回します。プロでも競技者でもない、一般の愛好家の方が、本当に望んでいるのは、踊っている相手の方に好かれることだと思います(少なくとも、筆者はそうです)。ダンスで好かれることは、傍から見て些細なことかもしれないが、積もっていくと、その人が日常を生きていく支えになる。上手く踊れたときに共有する「ちいさな満足感」は、ダンス以外の日常の他の場面にも、じわりと波及していく。それは仮想現実の中で不特定多数から「いいね」を得る脆い承認とは異なり、リアルな身体実感に裏付けられていて、その人の心のベースに浸透します。リアルな経験の中で得られた体験が、自身を保つ根拠のひとつになる。これは、年を重ねるにつれ、筆者も実感していることです。

そうであるならば、だからこそ、「目の前の、この人と、ちゃんと踊りたい」という声が聞こえてくる。もちろん、お互いに。これがQ5の質問の背景にある心理だと推察します。

話を戻します。このQ5に対する森脇先生の回答が、非常に面白いのです(誌面解説では紹介していません)。まず冒頭で、一般論な「ボディコンタクト」に対する誤解を解くことから始まり、次に運動の種類(移動や回転)によって、自分のどの部位を意識し、相手のどの部位にセンサーを当てたらよいのか、という方向に話が展開します。腕・腰・腿など、どこを意識して動きを伝えるのか、そしてどうやって受け取るのか、という観点から興味深い話が続きます。実はQ5は、6つのチャプターの中では短い尺で、たぶん森脇先生は知見を濃縮してコンパクトにアドバイスをしていると思いますが、筆者は「なるほど、そうなんだ」と、端座する気持ちで視聴しました。

この他、タンブルターンから3つの後続ステップに入る時のリードの仕方や、連続スピンの踊り方など、できそうで、できないステップを題材にした実践的なアドバイスが収録されています。

どうやって伝えるのか、どのように受け取るのか…。親切な解説を聴きながら、あらためて社交ダンスの難しさを感じた次第です。

■2024年4月号特別付録DVD内容のご紹介

(文・ダンスビュウDVD制作担当)

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