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ダンスビュウ2023年12月号 特別付録DVDのご紹介

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まもなく発売となるダンスビュウ2023年12月号(10月27日発売)で、特別付録DVDに収録のレッスンを務める講師は、元統一全日本ラテンチャンピオンで元世界選手権ファイナリストの山本英美先生です(初登場!)。

魅力的なラテンダンスを踊るための身体の使い方、足の運び方、音楽表現、手の使い方などをじっくりと解説します。熟達の技で魅せる吉田篤志選手とのデモンストレーションにもご注目ください。

今月のDVDレッスンは、統一全日本選手権大会を5連覇した山本英美先生が登場します。グランドプリンス高輪の「飛天」で、当時のライバルと繰り広げた激闘を覚えていらっしゃる方もたくさんおられると思います。

そして引退されてから15年…、本誌のDVDレッスンに初登場というのは意外な感じがしますが…。

それはさておき、今回は自然で落ち着いた語り口で、まさに「魅惑のベーシックルンバ」というタイトルがピッタリの印象です。

レッスンのテーマが詰まっているのは、最初の解説「インのパワー」のチャプターでしょう。インのパワーとは、肋骨と反対側の骨盤を身体の内側に寄せ、上下から胴体を挟む力のことを指しています。そしてこのインのパワーを推進力に変えていくことが、ラテンダンスの基本になっている、という解説です(詳細はDVDレッスンをご覧ください)。

では、肋骨を使うインのパワーとは、どんなことでしょうか。

筆者の個人的な体験では、ルンバウォークを行なう場合、先生が指摘するように、あまり骨盤の動きを意識しすぎると、逆にぎこちなく、足元が不安定になる感じがします。もちろん、筋力があり、十分に訓練を積んだ方なら問題はないのでしょうが、そうでない方の場合、歩くと不安定な感じがするのではないでしょうか。

ところが、山本先生の実演を真似て、軸足側(立っている足側)の肋骨を身体の内側に寄せることを意識すると、それに伴って反対側の骨盤が動き、後ろ脚がスムーズに引き寄せられる感じがします。肋骨を内へ寄せながら、右脚と左脚を寄せて進んで行く。すると軸の切り替えもスムーズに行われる感覚です。

レッスン映像を見て、インのパワーを使ったウォークの実験しながら、この自然さが、インのパワーの感覚なのではないか、と思った次第です。

教え方もユニークです。山本先生は何かを説明するとき、「皆さん~」と、あたかも目の前に生徒さんがいるかのように呼びかけます。単に技術を口述するのではなく、一人ひとりに言葉を届けるように話します。一方、呼びかけられた視聴者は、山本先生の言葉を自分事として受け入れる気持ちになります。この「呼びかけ」のスタイルが、他のレッスンと大きく異なる点だと思います。

また興味深いのは、解説の端々に山本先生の体験が垣間見えること。元々バレエダンサーから出発していること、そしてバレエから社交ダンスに転じたときの苦労、また筋力に依存したウォークをしていた時期があったこと、そして肋骨を意識したことで、より合理的な動きを体得したこと、また外国人と日本人の音の取り方の違い、等々、興味深いエピソードが語られます。もちろん、レッスンでのエピソードは、ご自身の体験の何百万分の一でしょうが、それぞれの時代を語る言葉の裏に、山本英美というダンサーが歩んできた、貴重な光景が感じられます。そしてそのような語りによって、“詩と真実”を明かすが如きのレッスンになっているのです。

素晴らしいのは、最後に収録されている吉田篤志氏とのベーシックルンバのデモンストレーション。筆者は、編集作業の過程で数十回見ましたが、何度見ても、深いルンバの情感が伝わってきます。このルンバの情感とは何なのか…、言葉で表そうとしても、言葉がみつからない。感動ではなく、もっと魂の深いところに触れてくる何か。

ぜひ、この一冊を手元に置き、折に触れ見てもらいたいです。

■2023年12月号特別付録DVD内容のご紹介

(文・ダンスビュウDVD制作担当)

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