ダンスビュウ2023年10月号 特別付録DVDのご紹介
まもなく発売となるダンスビュウ2023年10月号(8月25日発売)で、特別付録DVDに収録のレッスンを務める講師は、統一全日本ラテンファイナリストの鈴木佑哉・原田彩華先生です。
鈴木佑哉・原田彩華組のレッスンは2021年11月号の「ダイナミック・ルンバ~体重移動・空間・音楽表現~」以来となります。本レッスンのコンセプトは「ダイナミック・チャチャチャ」。カジュアルなステップで構成された3つのグループを題材に、チャチャチャをダイナミックに踊る方法をレッスン。二人の会話を通し、オシャレなフィガーを分かりやすく解説します。
今月の講師は、鈴木佑哉・原田彩華先生で、タイトルは「ダイナミック・チャチャチャ」です。タイトルの通り、チャチャチャをダイナミックに踊る方法をレッスンしていただきました。
今回のテーマのひとつは、ルンバとチャチャチャの違いです。例えば、街場で開催されているパーティを見ると、ルンバとチャチャチャの違いを意識して踊っている愛好家の方は、ほとんどいないように思います。かく言う筆者も30年以上のダンス歴の中で、この2種目の違いを明確に意識したことはありません。知識として両者の違いを挙げるならば、1小節の歩数が、ルンバが3歩に対してチャチャチャは5歩であること。41(4&1)の部分で、ルンバは溜めを作ってじっくり一歩を踏むのに対し、チャチャチャは、シャッセまたはロックで素早く移動しなければいけないこと。ベーシックでは、共通のステップが多いが、音に余裕のあるルンバはゆったりと上半身を使うことができるが、チャチャチャは素早く行なわなければ、音に間に合わないこと。おおざっぱにいうと、ルンバの動きを速く、忙しくしたのが、チャチャチャで、それ以上種目の特性を掴む勉強をしたことは、筆者はありませんでした。つまりルンバをベースにしながら、チャチャチャを踊っていて、チャチャチャ自体の特徴については、無頓着であったということです。
DVDでは、ルンバとチャチャチャの音の速さの違いが、どのように体重移動のプロセスやヒップの動きに影響するのか、ということを詳しく解説しています。具体的な技術は、DVDを観ていただければと思いますが、チャチャチャらしいスタッカートな、キレのある動きは、チャチャチャ特有の体重移動とヒップアクションから生まれるということが明かされています。
もうひとつ今回のレッスンの特徴は、モデルルーティンにマンボステップやバチカタ、パットアケーキなど、現役プロが競技会で使っているステップが組み込まれていること。特に、バチカタやパットアケーキはYou Tubeでもレッスン動画があまり供給されていないので、バリエーションをマスターしたい方にとって、希少価値がある映像だと思います。
編集後記風に書くと、筆者の個人的な印象ですが、鈴木先生は、穏やかな、おっとりとした雰囲気の青年でした。原田先生は、明るく気さくな、ハキハキと話す女性という印象でした。デモンストレーションでは、男性の強靭な体幹から繰り出される重厚感とパワー、女性のクリアな脚さばきから伝わるキレとスピード感に魅了されますが、普段会話をしているときの風情は、リラックス&ナチュラル。レッスンをするときの言葉も、小難しくなく、自然に伝わってくるのです。学ぶ立場からいうと、自然に伝わるということが重要で、実際にできる、できないは別として、自然に身体に入ってきた言葉こそが「僕もやってみよう」というやる気を引き出すのです。
レッスンというのは単なる技術情報の伝達ではないでしょう。それを伝える教師の人柄や、伝えるときの振る舞いとセットになっている。「誰が何を語るか」の“誰が”の部分、教師の言葉に宿る固有の経験や身体性こそが、受け手の学びの意欲を駆動する…。鈴木先生のの言葉を聞きながら、そんなことを感じた1枚でした。
■2023年10月号特別付録DVD内容のご紹介
(文・ダンスビュウDVD制作担当)