ダンスビュウ2022年9月号 特別付録DVDのご紹介
間もなく発売となるダンスビュウ2022年9月号(7/27発売)で、特別付録DVDに収録のレッスンを務める講師は、福田裕一・エリザベス グレイ先生です。テーマは「おしゃれアレンジ in Tango」。昨年(2021年10月号)の「おしゃれアレンジ in Waltz」以来の2度目の登場となります。
今回のレッスンのコンセプトは、前回のワルツと同様“いかにタンゴをおしゃれに踊るか”ということ。最初に競技会やパーティで使われるタンゴのポピュラーな2種類のモデル・ルーティンを提示。次にモデルをアレンジしたパターンを2つ(AパターンとBパターン)紹介し、アレンジポイントを解説する構成になっています。
最初のモデルは、「フォーラウェイウイスク~ストップロック」。二つ目のモデルは、「ファーラウェイリバース&スリップピボット~テレマークテレスピン」。いずれもよく使われるフィガーですが、このフィガーをどのように見栄えのするルーティンにアレンジするかが、テーマになっています。
アレンジの具体例は実際にDVDを見ていただきたいのですが、筆者が興味を持ったのはアレンジの要素です。例えば、回転量を変える、進行方向(回転方向)を変える、タイミングを変える、形(シェイプ)を変える等々、どの場面で何を変えた結果、どのようなステップにつながり、見せ場が生じるのか、という点です。手持ちのルーティンをアレンジし踊りの幅を広げたいと思ったとき、アレンジの例題を丸暗記するよりも、アレンジの要素に着目し、意識しながら踊った方が速くマスターできるし、また楽しいと思います。
もうひとつの特徴は視点が複眼的なこと。男性が男性のステップ、女性が女性のステップの要点を語るだけではなく、男性が女性に対してやってほしいこと、反対に女性が男性に対してやってほしいことを語っています。つまり「男から見た男」・「男が望ましいと考える女」・「女から見た女」・「女が好ましい感じる男」の4つ象限からのアドバイスが輻輳(ふくそう)しています。単に良い例と悪い例の実演だけではなく、解説対象のステップに対し、双方の視点が加わることで、全体としてすごく厚みを感じました。もちろん踊り手の人格の話ではなくリードの話ですが、筆者は実際に男女二人の先生から交互に個人レッスンを受けているかのような印象を受けました。その意味で他人ごとではなく、身に入ってくるレッスンだと思います
さらに、もうひとつ気になるワードがあります。
全編を通して福田先生が随所で繰り返し言っている「絶対に右を引かない(抜かない)」という言葉。どこの場面で右を引かないのか、なぜ右を引かないのか、繰り返し見て、本意を学びたい格言です。
■2022年9月号特別付録DVD内容のご紹介
(文・ダンスビュウDVD制作担当)