全岩手にフェザンヌ登場! 誕生秘話を聞きました![東北TOPICS]
※本記事は月刊ダンスビュウ2024年1月号(11/27発売)の83頁に掲載しています。
ステッピーのパートナーでキジの女の子のフェザンヌが、2023年10月22日に行なわれた全岩手ダンス選手権大会にて、初めて会場に登場しました! 2023年5月の東北オープンでの名前発表から約5カ月。フェザンヌ登場までの軌跡を岩手県ボールルームダンス連盟広報部に聞きました。
東北オープンが終わり、なるべく早い時期にフェザンヌをお披露目したかった岩手県広報部は、7月中旬からパートナー会社を探し始めます。最大のネックは、お披露目予定の大会(10月22日)に間に合うかということ。スケジュールを含め、選んだのは株式会社リップという大阪の会社でした。
株式会社リップは、ヤクルトスワローズのつば九郎くんなど、有名イメージキャラクターを多く手掛けている会社です。フェザンヌはダンスを披露する機会も多くなることから、一般的にかわいいとされる二頭身では踊りづらいという難点がありました。その点、球場で踊っているキャラクターを手掛けている会社であれば安心です。
フェザンヌの誕生にあたっては、イラストとなるべくギャップがないようにすることを心がけました。生みの親である大西大輔先生にもご協力いただき、大西先生と岩手県広報部、株式会社リップの三者で細かい調整を行ないました。
例えば「踊るときにしっぽは小さい方がいいのでは」と言う業者に対し、「リボンとしっぽがトレードマークだから」と可能な限り大きくしてもらったり、岩手から大阪までダンスシューズを送り、ダンスシューズが履けるか確かめてもらったりしました。
最後に決めたのは色味です。ピンクや黄色など明るい色のフェザンヌの衣装は、感覚のいい女性の先生に選んでもらいました。
こうして着々と登場に向けて近づいていったフェザンヌ誕生のとき。7月中旬にリップと連絡を取ってから、デザインの調整に取りかかったのはお盆明け。スタイルが決まったのはお披露目の1カ月前でした。リップからは事前に、すべて決まってから2週間あれば大丈夫」と言われていましたが、10月に入る直前まで調整が続いたため、内心は間に合うかドキドキしていたそうです。結果的に10月19日に到着して21日にリハーサルを行ない、22日の本番を迎えられました。
お披露目当日は、11時過ぎの表彰式から登場してもらい、まずは体育館をぐるっと一周。フェザンヌの登場曲には「オー・シャンゼリゼ」が選ばれました。
フェザンヌの登場に子供たちは、大喜びでフェザンヌとハイタッチ。一周回り終えると、司会の先生から「今日は一日ダンスを楽しんでいってくださいね」と言われたフェザンヌですが、耳打ちで「大会をお手伝いしたいです」とやる気を見せるかわいい場面も。フェザンヌは午前と午後、合わせて計6回の表彰式に登場し、選手へ副賞を渡したり、フロア清掃をしたり、体育館を歩いてたくさんのファンと写真を撮ったりしました。
岩手県ボールルームダンス連盟は「これから岩手県内で行なわれる競技会やメダルテストなどの行事はもちろん、許していただけるなら東部の催しにも出かけさせたいです。フェザンヌが東北だけでなく全国で愛されるキャラクターになってもらえばと思います」と語ってくれました。
レポート/木下なつ(プロダンサー・ライター)