大阪市中央区でダンス未経験の高齢者向け講習会を開催(9月16・30日)[関西TOPICS]
※本記事は月刊ダンスビュウ2023年12月号(10/27発売)の81頁に掲載しています。
大阪市中央区にある東老人福祉センターにおいて、ダンス未経験の高齢者を対象とした社交ダンス体験講習会「やってみよう! 初めての社交ダンス」が、2023年9月16日・30日(土)、2回に分けて開催。参加者は音楽に合わせて日常の生活とは違う身体の動きを体験し、心地よい汗を流した。
「地域の高齢者に趣味や生きがいを持ち健康で明るい生活を送ってもらうために、老人福祉センターでは老人クラブの援助のほか、様々なセンター事業を行なっていますが、今回の社交ダンス講習会もその一つになります。当センターにも社交ダンス同好会がありますが、ここ数年で会員さんが減ってきたので、会員さんを増やせたらという思いもありました。しかし、どのような講師を招きどのように進めていったら良いかわからず、なかなか実現できずにいたとき、近くのダンススタジオで指導している井上裕次郎先生がセンターに電話をくださったのがきっかけで、社交ダンスが初めての方、興味のある方を対象とした講習会の準備が進みました」と話してくれたのは、センター事業担当の斎藤俊さん。
16日は井上裕次郎先生担当でワルツとタンゴの講習、30日が宮武樹先生担当でルンバとチャチャチャの講習が行なわれ、参加者は簡単なステップでダンスを体験。受講者20名のうち3分の2がまったくのダンス未経験という講習会に、「ダンス音楽に触れて身体を動かし、楽しんでもらうことを一番に考え講習内容も工夫しました」と話す講師の宮武先生。受講者からは、「社交ダンスは10年以上前に止めてしまって、今日、久々に踊れてとても楽しかった」「社交ダンスは初めてですが、先生の教え方が上手でダンスが踊れ楽しかった」といった感想が聞かれ、簡単なステップではあっても踊れた楽しさが伝わってきた。中には「私の若いころは、社交ダンスは品格に欠けるものとして親に禁止されていましたので、今日がまったくの初めてです。現代ではダンススポーツとか生涯スポーツとか言われ、健康的なものに変ったのですね。両親が生きていれば、びっくりするでしょう」と言う方も。
「会場の広さもあって定員を20名とさせていただきましたが、応募が30名を超えたために、抽選が行なわれました。残念ながら受講できなかった方は、引き続き年内にもう一度この講習会を開催しますので、ぜひ多くの方に社交ダンスを体験していただきたいと思います」と、開催の継続について話す斎藤さん。ダンス人口の高齢化に伴い、若年層への普及活動に目が向きがちだが、今回の体験講習会を通して、ダンス未経験の高齢者の多さとダンスを楽しむ元気さを改めて実感。日本人の健康寿命とダンス現役寿命はまだまだ延びそうである。