今、東北で注目のジュニア・ダンサーたち!☆その1☆[東北TOPICS]
※本記事は月刊ダンスビュウ2022年8月号(6/27発売)の81頁に掲載しています。
[レポート]木下なつ(プロダンサー・ライター)
今回はこの夏のジュニアの全国⼤会を受けて、東北のジュニア育成の現状と注⽬のジュニア選⼿をご紹介します。
福島県は県内の競技会でいち早くジュニア部⾨を設け、⼦供バッジテストを開催するなど育成に⼒を⼊れています。2022年8⽉7⽇に東京で⾏なわれたJBDF⼩中⾼校⽣ボールルームダンス全⽇本チャンピオンシップでは、いわきダンススクールから3組のジュニアが出場しました(写真1~3)。
いわきダンススクールは40年続いている歴史あるスクールで、ジュニアスクールも25年になるそうです。1期⽣としてダンスを始めた蒲生智美先⽣が、現在は選⼿兼指導者として活躍されています。ジュニアスクールは毎週⼟曜⽇の午前中に開講、JBDFジュニア指導員の資格を持つ6⼈の先⽣が全員で指導にあたっています。福島の⼦供バッジテストは年1~2回のペースで開催されています。先⽇2022年9⽉4⽇に22回⽬が⾏なわれました(写真4)。
受験級は10級から1級まであり、リズムやタイミング、フットワークなどを審査します。審査員を前に⼦供たちはソロで堂々とした踊りを披露しました。受験後は点数と審査員の先⽣から⼀⾔もらえるそうです。
また、宮城県ではJBDF・JDSFそれぞれにジュニアスクールがあり、各教室でもジュニアを受け⼊れています。
今回は幼稚園からダンスを始め、今も精⼒的に活動している奥津拓翔(15歳)・奥津樺⾳(16歳)組をご紹介します。
2⼈はユースに上がったばかりの姉弟カップルです。今年出場する⼤会は8⽉までに13回、9⽉〜11⽉に10回を予定しています。学業との両⽴を考えれば驚く数です。レッスンや練習会は毎週、仙台まで⽚道2時間かけて通っています。
仙台のジュニアスクールの変化について、「以前は憧れの選⼿と⼀緒に練習ができて刺激になっていたけど、今は同年代がいなくて寂しい」とのこと。そんな2⼈がダンスを続けられている理由はなんでしょうか?「もっと上⼿になりたいから。競技会で応援してもらえるのが嬉しい! 選⼿同⼠、讃えあえる環境が好きです。全国のレベルは⾼いですが、全国⼤会に⾏くと迎え⼊れてくれるユースの仲間に会えるのも楽しみの⼀つです」と話す、彼らの今後の活躍に期待しています。
東北でジュニア育成に携わる先⽣から、東北各県でコロナ禍によりダンスから離れてしまったジュニアも多いと伺いました。教え⼦が卒業していき、今は教室の発表会で披露するだけというスクールも多いそうです。そんな中、⼭形県のイケダダンス教室でジュニアスクールを担当されている堅⽥美智先⽣の、「たくさんの⼦供達に社交ダンスの魅⼒を伝えられたらいいなと常に思っています」という言葉が印象に残りました。東北の先⽣⽅の想いや堅⽥先⽣が⼦供たちを⾒守る温かい眼差しが伝わってくるようでした。
●その2(10/14公開)はこちら