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「デフダンスジルバ体験会」開催(8/21)[関西TOPICS]

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※本記事は月刊ダンスビュウ2022年11月号(9/27発売)の78頁に掲載しています。

生まれつき耳がきこえないNami♡(秋山なみ)さんが、「耳のきこえない人たちもダンスを楽しみたいと思っていることを知ってほしい」と大阪市中央区のダンススタジオY DANCE COLLECT(吉岡正樹・恭子先生経営)を会場に、2022年8月21日(日)、「デフダンス ジルバ体験会」を開催。耳のきこえない人、きこえる人、そして、盲ろうの人が集い、みんなでジルバを体験、楽しいひと時を過ごした。

Nami♡さんが普及に取り組むデフダンスとは、英語で「耳がきこえない」という意味のデフ(Deaf)とダンスを繋げた言葉、つまり、聴覚に障がいがある人たちのダンスのこと。車いすダンスやブラインドダンス(視覚障がい)は、ダンス愛好家の方々も良く知るところだが、デフダンスという言葉を初めて耳にする人も多いと思う。そうした環境の中で、ご自身、聴覚に障がいをもちながら社交ダンスに取り組んでいるNami♡さんが企画したのが、今回のジルバ体験会である。

▲講習会の内容を打合せする井上裕次郎先生と福本ともえ先生

体験会は、手話による説明と講師のお手本で講習が進められ、終盤には参加者全員が軽やかなステップで、パートナーチェンジをしながらダンスを踊れるようになっていた。そして、「二人で踊るという経験がなかったので、今日、二人で踊る楽しさを知ることができた」「リード&フォローを知り、ダンスで相手と繋がることが楽しかった」「無言でも相手の気持ちが伝わることを感じた」などなど、参加者の感想はどれもダンスを踊った楽しさばかり。ジルバの音楽がなくとも、踊る人たちからそれぞれのリズムが伝わってくる、楽しさが会場に溢れる「デフダンス ジルバ体験会」であった。

最後に、今回の体験会を企画したNami♡さんに、社交ダンスとの出会いや、体験会開催の背景について伺った。

「私とダンスの出会いは東京です。数年前、ダンスのショーを観に行ったとき、手話ができる社交ダンスのプロの先生が出演されていて、紹介していただいたのがダンスを始めたきっかけです。その後、ブラインドダンス体験会を通して出会った先生のお誘いで、初めてのデモを体験することができました。関西に転居することになり、関西で手話のできる先生はいないか尋ねましたが、見つかりませんでした。ダンスを続けるためにいくつかアプローチしたのですが、障がいのある人のダンスへの支援という考えはこれからなのだな、ということを感じました。また、私の場合、まったく耳がきこえないので、レッスンでは視覚的な支援や工夫がないと話の内容を理解してついていくことが厳しく、手話での情報保障がないと発表会のようなイベントを一緒に楽しむことが難しいのですが、きこえない人は見た目では障がいが分かりにくいためか、手話通訳がいなくても大丈夫じゃないか、と思われがちだと感じています。

▲「デフダンス ジルバ体験会」を企画したNami♡さん

また、車いすダンスやブラインドダンスに比べてデフダンスの人口がかなり少ないのは、言語コミュニケーションの課題だけでなく、一般的に『音楽と一体となった』というダンスのイメージを持っていることで、きこえる人は『音楽がきこえない人にはダンスは難しい』と思い、きこえない人も『きこえない私には無理』と思ってしまうからだと思うのです。今回、きこえない人が安心してペアダンスを体験できる場をと願い、チャオカップからのご厚志を使わせてもらって手話通訳サポートつきのジルバ体験会を企画しました。企画段階から会場や情報保障をどうするかなどの課題がありましたが、講師を務めてくださった福本ともえ先生と井上裕次郎先生のご尽力、また、社交ダンスを習っておられる手話通訳者のご協力のおかげで、開催することができました。心から感謝しています。こうした体験会が種まきとなり、いずれその種から花が咲いて実を結び、デフダンスの世界が広がっていけば良いなあ、と願っています」

▲体験会に参加した皆さん

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