大阪市中央区、大阪メトロ本町駅から徒歩３分のところにあるホテル「ヴィアーレ大阪」の多目的ホールを活動場所に、アメリカン・スムースを中心にしたサークルがあると聞き、訪ねてみることにした。

サークルの名前は「サークルABC」、活動歴は30年余り。ダンス愛好家にとってあまり一般的ではないアメリカン・スムースとは、従来の社交ダンスをベースにしてアメリカで生まれたもの。スタンダードにラテンの要素が加わったようなダンスで、ボディコンタクトの制限がなく、自由にバリエーションを組むことができるので、社交ダンスよりもショー的な要素が強い。

そういったダンスとサークルABC代表の加藤修久・裕子組が出会ったのは、今から約10年前。「2012年にアメリカの競技大会に出場し、初めてアメリカン・スムースの競技を観戦して、一目ぼれ。自分も踊りたいという衝動に駆られて、観戦した翌日にはチャンピオンのスタジオの門をたたき、レッスンをしていただいたほど。その後、続けてアメリカにレッスンに行き、日本でレッスンがあるときは必ず受講してきました。

アメリカン・スムースの競技にも何回かチャレンジしました」と、感動も新たにその時の様子を話すお二人。続いてサークル活動について訊ねると、「長年指導と運営に関わってこられた方から6年前にサークルを引き継ぎました。最初の数年は従来通りの社交ダンスのレッスンを行なっていましたが、私たちが魅了されたアメリカン・スムースの楽しさを愛好家の皆さんにも知ってほしいと思い、4年前からアメリカン・スムースを活動のメインにしました」と答えてくれた。

そして、「アメリカン・スムースもボールルームダンスをベースにしていますから、指導する上でもボールルームの基本から外れないように心がけています。そして、アメリカン・スムースで得たものをボールルームにも還元してもらい、テクニック向上に繋がれば良いなあと思います」と話す加藤さんに、「技術を求めるというのではなく、音楽に合わせて楽しく踊ることがアメリカン・スムースの本質でもありますから、楽しく気楽に参加して下さい」と言う裕子さん。

会員さんたちも「サークルの雰囲気は和気あいあいとしていて、ダンスそのものも楽しい。レッスンの1時間はあっという間です」と話す。堅苦しいテクニックは考えず、男性はカッコよく、女性は美しく、ショーアップしたダンスと音楽を楽しんでみてはいかがだろう。

※本記事は月刊ダンスビュウ2022年10月号（8/26発売）の78頁に掲載しています。